|
家の中で一番そうじが面倒な場所。私にとってはトイレでした。便器のふちの部分にすぐ汚れがたまってしまう。立小便をする男子が家にいると、床との接合部分にも汚れが回りこんでにおいの原因に。床と便器を留めているビスのまわりや、蓋と便器のつながっている部分もきれいにならない。さらにいつも不満を感じていたのが、かがみこんで便器を抱くような形で床を拭かないと、便器の後ろ側の汚れやほこりがうまく取れない!
道具を日々大切に使っていく上でも、工業製品にはお手入れのしやすいデザインという視点をはずしてはならないと思うわけなんです。で、そうしたお手入れの視点というものは、実際に日々繰り返して掃除をしている人にしかわからない。その意味で、技術畑になりがちな工業製品の開発の現場では、これまでお手入れのしにくい商品がたくさん作られてきた気がします。いえ、仕方のないことなんですけど。でもやっぱり、主婦としては「なんでえ?」と思うことも多かった。
今回、10年使ってきたトイレをリフォームしました。普通に使うだけで、2日でお風呂一杯分の水が節水できるトイレができたと聞いたんです。トイレを変えるというエコもある。そりゃいい。でも、何より気に入ったのがそのデザイン。
わが家は配管の関係上、タンク上部に手洗いがついた機種を選びましたが、それでも今までのトイレに比べたら見違えるほどのすっきり感。手洗いが別に確保できるならタンクのない機種もあるそうですが、まあ水を有効に使うと思えば、手洗いつきのトイレも捨てたもんじゃない。たかがトイレだけど、トイレのデザインって結構奥が深いなあ、と改めて再認識しました。
で、このトイレを使い続けて実感したのが、そうじのしやすさ。このトイレにしてから、便器の奥行きがこれまでより5センチほど小さくなったんです。この5センチの差でおそうじがどれだけしやすくなったことか! もう便器を抱え込むように隙間に手を伸ばす必要がない。すっと壁際に手が伸びて、埃も汚れも取れる。さらに凹凸が少なく、便座がリフトアップする機能がついているので、取れにくかった蓋との接合部分の汚れがひと拭きでさっときれい。ああ、この爽快感。
いい機能にいいデザインであっても、お手入れがしずらいものは、長く大事に使うことができません。ここまで隅々のおそうじがしやすい構造のデザインに至った裏には、きっとたくさんの「トイレを日々掃除する人たち」の身の丈の暮らし視点があったのだと思います。そういう視点をきちんと取り入れて、いい機能、いいデザインを生み出す。モノってこうして進化していくのねえ。お手入れのしやすいデザイン。主婦としてはもう、大歓迎のうれしさなのでした。
|