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ここしばらく、年に一度はパリを訪れています。若い頃から大好きな街。不思議と元気をもらえるのでつい足を運んでしまうのですが、ヨーロッパはかわいい雑貨に出会えるのも、また旅の楽しさのひとつです。
20代の私が最初にパリを訪れたとき、一番驚いたのが、子どもが握って歩いていた風船の色でした。グレーがかったピンク、苔色のくすんだグリーン、らくだ色に近い金や深い紫色。そんな風船の束を持って歩く子どもの姿は、パリの街並みや空気に溶け込んで、うっとりするほど美しかった。そうか、この街にはパリのカラーパレットがあるのだ、と思ったのを覚えています。
以来、いくつかの街を旅するたびに思います。その国には、その国の暮らしや空気にいちばんふさわしいカラーパレットがある、と。ベルギーの深い赤、ポルトガルの青、イタリアの緑。どれも印象的でとても美しい。同じ赤でも、日本の製品や看板に使われる赤とは微妙にトーンが違って、そんな違いに気づくのも、また旅の楽しさなのだと思います。
そんな街をぶらりと歩いて、その国のカラーパレットが上手に使われた雑貨をみつけて、ほくほく買ってくるというのが、私のひそかな楽しみ。今回も、パリの住宅街のデパートでこんなキッチンブラシをみつけて、お土産用にたくさんたくさん買ってきました。深い紫とピンクの組み合わせなんて、日本の生活用品ではなかなかお目にかかれません。ああ、かわいい。
日本の生活用品は優秀だし、何より品数が多くて豊かです。でも、ホームセンターなどで簡単に入手できるそうじ道具やキッチン用品のカラーパレットは、私はあまり好きになれません。ゴミ袋の水色、洗剤ボトルの緑、洗面器のピンク。デザインの重要な要素である「色」が、もうちょっと暮らしの道具で大切に扱われてもいいのになあ、と思うことが多い。ということで、つい旅先での雑貨を楽しく買い揃えてしまうのです。
でも、考えてみたら、日本には日本の美しいカラーパレットがあるのでした。日本の伝統色は世界に誇れるカラーパレットのはずなのに、大量生産される暮らしの道具に取り入れられることって、あまりないものなのだなあ、と思います。
今年のパリは、JAPONブームで街にお茶道具や和の雑貨があふれていました。もっともっと見直していい素敵な日本の文化。日本でもここ数年の和のブームで、最近はこうした日本のカラーパレットを暮らしで楽しめるような雑貨類が多く街に出回るようになりました。たとえば写真は、先日100円ショップで調達したふきんと手ぼうき。安くて身近な道具に、こういう色があるとほっとします。美しいな、と思います。
デザインに関わるすべての人たちに、ぜひ日本の暮らしに映える美しい色をもっとたくさん使って欲しい。そして、暮らし手の私たちも、美しいかたちと色を暮らしに取り入れて楽しむまなざしを忘れずに、一日をていねいに積み重ねていきたいなあ、と思います。
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